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行政書士の転職とは?独立開業についてもご紹介


今回は、将来、会社員ではなく自分の腕一つで稼いでいきたい、独立・開業を目指したい、という方に、お勧めの職業の一つ「行政書士」について紹介します。

「行政書士」は、お客様の依頼を受け報酬を得て、官公署(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署等)に提出する書類(電磁的記録を含む)の作成や申請手続き等を代わりに行う職業。

主に、書類作成のプロとして活躍していますが、近年では、開業支援や中小企業の借り入れや取引拡大のサポートなど、個人や企業が事業について、気軽に相談を行うことができるコンサルティング業も併せて行う方が増えてきていると言われています。 弁護士のように、お客様の代理人となって、訴訟などを行うことはできませんが、どのような書類を行政へ提出する必要があるのかなどの相談業務から、書類作成を通じて、お客様と官公署を結ぶ役割を担い、時には「街の法律家」とも呼ばれることがある「行政書士」。 では、その具体的な仕事内容は、どのようなものなのでしょうか。

法律事務所などで弁護士の指示・監督のもとで、主に弁護士業務(法律事務等)を補助する専門職“パラリーガル”とは異なり、「行政書士」として仕事を行うためには、毎年11月に行われる行政書士試験に合格し、国家資格を取得しなければなりません。 今回は、その資格取得や独立・開業までの流れも併せて解説します。

 

転職前に知っておきたい行政書士の仕事とは?


行政書士は、個人や企業から依頼を受け、官公署へ提出する書類の作成や申請手続き等を代行することが、主な仕事。現在、行政書類は1万種類以上あると言われており、行政書士は、お客様から依頼を受けた書類を間違いのないよう作成することが求められます。
 
例えば、会社設立時の手続き、内容証明郵便、相続手続きなど。市民が法人を運営する場合や実生活を送る中、官公署へ書類を提出しなければならないケースは多々見られます。これらの書類は、当事者が自分で作成することもできますが、提出先の行政によって作成の難易度が異なり、手続きも煩雑なものがあることから、専門的な法的知識を持ち、複雑な事務処理を滞りなく行うことができる行政書士に仕事を依頼するということが一般的。
 
作成する書類は「許可認可(許認可)」に関するものが多いと言われていますが、行政書士の取扱業務(一部抜粋)は以下の通り、多岐に渡ります。
 
○会社設立関係
 ・株式会社、各種事業協同組合、特定非営利活動法人等の設立
 ・定款の作成、増資、役員変更、株式会社議事録作成
 ・自治会、町内会等の法人化
 ・公庫融資手続
 ・会計記帳、決算書類作成等
 
○各種許可認可(許認可)の申請
 ・建設業許可申請、変更届、入札資格申請
 ・公共上下水道設備指定事業者申請
 ・電気工事業開始届
 ・飲食店営業許可申請
 ・食品販売店許可申請
 ・介護保険指定事業申請
 ・産業廃棄物処理業許可申請
 ・古物商営業許可申請(リサイクルショップ等)
 ・旅館営業許可申請
 ・宅地建物取引業免許申請・更新・変更等の手続
 
○自動車関係
 ・自動車登録申請
 ・自動車解体業、破砕業、自動車整備工場の許可申請
 ・自賠責保険、任意保険金(後遺障害、損害賠償金)の請求
 ・貨物軽自動車運送事業届出
 ・交通事故、示談書作成
 
○各種書類作成
 ・各種契約書、示談書、協議書等
 ・内容証明郵便
 ・一般旅券申請
 ・嘆願書、陳情書、始末書
 ・定款、規則、議事録
 
○外国人関係
 ・戸籍の各種届出及び手続き
 ・外国人在留期間更新許可申請
 ・永住許可申請
 ・外国人登録
 ・帰化申請
 
○相続関係
 ・遺言書(自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言等)
 ・戸籍謄本・除籍謄本の調査及び取得
 ・相続財産の調査及び評価
 ・遺産目録の作成
 ・遺産分割協議書
 
上記は、業務の一部ですが、取扱業務の幅が広ければ広いほど、書類作成における専門的な知識も深まっていくことから、行政書士は、行政書類作成のスペシャリストといっても過言ではないでしょう。
 
ただ、1点、仕事を行う上で注意しなければならないことがあります。
 
行政書士は、行政書士法という法律で、例外的に一部の法律事務を扱うことが認められていますが、弁護士を比べると限定された範囲内でしか法律事務を取り扱うことができません。

具体的には、行政書士は、弁護士のように、お客様からの法律相談に乗ったり、裁判・交渉・契約書の原案の作成を行うことはできないということ。
 
近年、コンサルティング業務を行う行政書士も増加していますが、もし、お客様の相談に乗っている中、法律に関する内容でお困りのこと、トラブルに発展しそうなもの(すでにトラブルが発生しているもの)があることが分かれば、アドバイスは行わず、弁護士に相談するよう提案や、知り合いの弁護士を紹介することが重要です。

お客様が、目の前で、困り果て、助けを求めていたとしても、万が一、行政書士が弁護士業務を行った場合は、弁護士法違反(非弁護士活動)の容疑で逮捕されてしまう、ということを心に留めておきましょう。
 
また、行政書士と司法書士、社会保険労務士との違いも、併せて覚えておくと良いでしょう。
 
司法書士は、行政書士と同じように書類を扱いますが、“取り扱うことができる書類の分野”が異なっています。行政書士は、官公署(法務局以外)関係の書類を扱うのに対し、司法書士は、法務局や裁判、登記に関する業務に携わります。行政書士と司法書士では、お互いの専門分野が明確に区別されているため、分野を超えて業務を行うことはできません。
 
社会保険労務士は、労務管理や雇用保険、厚生年金といった社会保険、労働に関する法律の専門家。労働社会保険関係の書類作成や申請、給付手続き等の代行業務を進めつつ、企業の労働環境の改善のサポートや、年金や労働に関するコンサルティングを行っていきます。司法書士と同じように、行政書士とは扱う専門分野が違うということを覚えておきましょう。
 
現役の行政書士の中には、取り扱える業務の範囲を広げるために、司法書士や社会保険労務士の資格を取得していく方も多く見られます。

 

行政書士の働き方とは?


書類の作成業務が多い行政書士の仕事のスタイルは、デスクワークが想像されますが、実は外出業務も発生します。
 
仕事は、まずお客様から、ご相談をいただくことからスタートします。今は、インターネットを使い、メールでの相談を受け付けているところもありますが、正式に依頼を受けることになると、お客様に事務所までお越しいただくか、行政書士がお客様のもとへ足を運ぶかのどちらかに。お客様からご相談の内容をヒヤリング・打ち合わせ後に、行政書士は、その結果を基に、書類作成のための各種資料の収集を行い、資料の作成を行います。書類の提出には、期限が定められているものが、ほとんどのため、ご依頼の内容によっては、急ぎ対応をしなければならない場合も。官公署への書類の提出も、行政書士の業務のため、スケジュールが多忙になることも珍しくありません。書類を提出し、官公署から許認可等を受けた後は、お客様へ連絡し、報告を行います。
 
働き方は、主に以下の3パターンに分けられます。
 
○行政書士事務所や法務事務所に勤務(雇用型)
○独立・開業をする(独立型)
○一般企業の法務部門や総務部門に勤務(雇用型)
 
それぞれの違いを一つずつ解説します。

 

行政書士事務所や法律事務所に勤務

行政書士は、独立開業型の資格と言われています。しかし、資格を取得したからとはいえ、実務未経験のまま、独立・開業をすることは大変リスキーなこと。そのため、修行期間という名目で、一時的に、行政書士事務所や法務事務所で経験を積むという方法です。この場合、一般企業と同様、転職・就職活動を行うことになります。
 
ただ、行政書士は、資格を取得していなくても「行政書士の補助者」として業務にあたることもできることから、アルバイや副業から始める方も。副業から始める場合は、現在、勤めている会社が副業を認めているかどうか、確認をする必要があります。しかし、行政書士は官公署を相手にしている仕事のため、官公署が開いている時間(平日の昼間など)に時間がとれないと業務を行うことができないデメリットも。本職が土日祝日休みの平日勤務の場合や、時間的に制約がある場合は、難しいかもしれません。
 
では、行政書士事務所や法律事務所に勤務した場合、どのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。
 
まず、デメリットとしては、法律事務所は大手企業が存在しますが、行政書士事務所は小規模なところが多いことから、収入を期待できないということが挙げられます。勤務先によっては、給与以外に福利厚生といった待遇面も異なってくることも。実務未経験者の場合は、正社員としての採用も簡単ではなく、契約社員やアルバイト、パートで働くケースが多いと言われています。今、他の仕事に就いていて、転職を考えている方は、計画的に、余裕を持った準備が必要と考えましょう。
 
メリットは、実務を進める上で、分からないことが発生した場合、同じ事務所に勤めている経験者に、すぐ確認することができるという点。また、事務所を通じて、他の士業(弁護士や司法書士等)の方々と知り合え、人脈(ネットワーク)を作ることも。ここで培った経験や人脈は、将来、独立・開業をした時に、大いに役に立つことでしょう。そして、何よりも、お客様への対応や、事務所の経営(ビジネス)の手法(ノウハウ)を間近で学ぶことができるのが最大のメリット。事務所の経営者が、どういう判断で事務所運営をしているか、そのために、どのような行動をしているかを目の当たりにすることは、独立した際には、大変参考になります。
 
弁護士や社会保険労務士が、行政書士と共同で事務所を運営しているケースがあります。事務所によっては、扱っている分野に専門性を持たせているところもありますので、すでに興味のある分野があるようであれば、その分野を扱う場所を探して応募をしてみることもお勧めです。

 

独立・開業する

行政書士は、独立・開業向きの資格のため、実務未経験でも、独立・開業は可能です。独立・開業後は、自分の経験や人脈から、お客様へアピールを行い、依頼を解決しながら、自分の事務所の運営を行っていきます。
 
ただ、独立・開業をして事務所を構えるためには、資格を取得した後に、まず始めに、事務所を設けようとする都道府県の行政書士会へ必要書類を提出し、日本行政書士会連合会へ名簿登録をする必要があります。その後、税務署へ開業のための書類提出等の手続きも発生します。

 

一般企業の法務部門や総務部門に勤務

一般企業の法務部門や総務部門に勤める場合は、法的思考力や知識を組織のために活用するという働き方になるため、行政書士として活躍するということはありません。
 
転職する場合は、その企業の中で、法務や総務での求人に応募することになります。ただ、法務の求人は、実務経験が求められることが多いため、実務未経験者の場合はハードルが高いことも。もし、すでに行政書士としての実務経験があるようであれば、志望先の企業が求めているスキルとマッチしていると判断されれば高評価を得ることができるでしょう。実務経験がない場合は、基本的な法的知識を保持しているアピールにはなりますが、それ以上の評価は加わることはないと考えておくほうが無難です。

 

行政書士の資格の活かし方に関して知りたい!


いかがでしたでしょうか。ここまでは、行政書士の仕事内容や働き方について紹介しました。行政書士の取扱業務は多岐に渡ることから、中には、あえて専門分野や得意分野に特化したサービスを提供している方々も。それでは、ここからは、行政書士の資格の活かし方について、解説します。

 

専門性の高い資格だが成功は簡単ではない

取扱業務の範囲が広がれば広がるほど、専門性も深まっていく行政書士の資格ですが、残念ながら、「専門性が高い=成功する」というわけではありません。近年、行政書士資格の人気は高まり、独立・開業をした事務所も増加しています。
 
行政書士は、弁護士や司法書士と異なり、受験資格が大きく定められていないため、誰でもチャレンジしやすい資格として知られています。試験自体の難易度も、他の士業と比べると易しめであることから、行政書士の人数は増加傾向に。このような中、稼げる行政書士と、稼げない行政書士の二極化が進んでいます。稼げる行政書士になるためには、お客様が、他の行政書士と、あなたを比べた時に、「この人が良さそう」「信頼できそう」と価値を見出して、選んでいただくことが重要なポイントに。実務能力が高く、幅広い知識を持っていたとしても、お客様から選ばれなければ、その能力を発揮することはできません。
 
また、行政書士の業務は、弁護士や税理士など、他の法律の専門職の方でも、ある程度、行うことができてしまうため、法律を扱っている事務所同士で、料金の低価格化や無料相談サービスを行うなど、生き残りをかけた競争が行われています。
 
稼げる行政書士となり成功するためには、マーケットや事業計画、経営プランを、状況に応じて、練っていかなければなりません。

 

資格以外にも集客などしっかりしたプランが大事

書類の作成が多い行政書士ですが、最近では、お客様が抱える問題に関わるコンサルティング業務を行う場面も増えてきています。そのため、お客様が属している業界の数だけ、知識や望まれるサービスについて勉強する必要があると心得ておきましょう。法律は、時代によって改正があることから、常にアンテナを張り、的確な対応を行う努力も怠ってはいけません。
 
また、稼げる行政書士の中には、他の士業の資格を取得し、業務範囲を広げているケースがあります。ダブルライセンスとしてお勧めなものは、「司法書士」「社会保険労務士」「宅地建物取引士」「ファイナンシャルプランナー」。
 
他の士業の資格を取得している時間と余裕がないという場合は、行政書士の取扱業務の中で、興味があるもの、向いているものの実績を積み、専門分野を確立していきましょう。例えば、「外国人関係の業務は苦手だが、自動車と相続関係の業務なら、さまざまなケースに対応できる!実績もある!」ということになれば、自動車と相続関係でお困りのお客様への宣伝に繋がります。
 
行政書士の人数が多くなっている中、他の行政書士にはない価値を高めていくことは重要です。

 

マーケットが広く、現在も伸び続けている

行政書士のマーケットは伸び続けています。
 
その背景には、取扱える書類の種類が増加したこと。平成13年に改正行政書士法が施行され、行政書士も遺産配分の協議や交通事故の示談などに関われるようになったということが挙げられます。官公署へ提出する書類は、簡素化と電子化が進み、手続きも以前より簡易にはなっていますが、まだまだ紙媒体での提出が多い状況。交通事故の示談などにも関われるようになったことで、弁護士が介入する前の小さな民事紛争などに関する相談も徐々に増えてきている現状があります。これは、弁護士に依頼をしたり、裁判になった場合、多額の費用が発生することから、できるだけ費用を抑えたいという、お客様の意向があると言われています。行政書士は、弁護士のように、裁判や訴訟に関係する業務を行うことはできませんが、未然にトラブルを解決することができる相手として注目が集まってきています。

 

行政書士としての求人はあるの?


行政書士は、独立・開業向きの資格ですが、求人は存在します。しかし、雇用先は、その多くが個人経営の小さな事務所であることが多く、正社員としての採用は少数であることが実情。都内など、大きな都市では、複数の行政書士を雇用している企業もあることから、暮らしている地域によっても差もあります。契約社員やアルバイト、パートといった、正社員以外の雇用形態であれば、求人数はそれなりにあると考えましょう。また、資格を取得していなくても行政書士の業務を行うことができる「行政書士補助者」の求人も。正社員以外の雇用形態の場合、地域によっても差がありますが、時給は約1000~1600円。正社員の場合、こちらも雇用先の事務所の規模によって異なりますが、年収は約300~500万円と言われています。ただ、中には、実務未経験ということで、月給16万円でボーナス・各種手当なし、というところもあることから、希望する就職先の事前の情報収集は念入りに行うことが大切です。
 
行政書士として、事務所で働きたい場合は、一般企業と同じように就職活動を行うことが求められますが、Webテストなどが行われることは少なく、書類選考と数回の面接を想定しておきましょう。面接では、行政書士としての適性、人間性が重視される傾向があります。また、どちらかと言えば、未経験者は年齢が低い方が採用されやすい傾向があります。これは、給与を低く抑えられる・使いやすいという雇用側の都合もありますが、若いうちから始めた方が、積める経験も多くなり、将来、さまざまな状況に対応できるようになるから、ということが、主な理由のようです。
 
最近では、子育て・介護中の女性が自分のスケジュールに合わせて働くスタイル、フリーランスで活躍する行政書士、副業で働くケースなど、雇用形態にとらわれず行政書士として働くケースも増えてきています。特に、個人経営の小さな事務所に勤めている場合は、経営者と信頼関係が作られることによって、働くスタイルに融通を利かせてもらえた、ということが背景にあるようです。
 
ただ、やはり一般的に、行政書士事務所や法律事務所において、行政書士として勤務した場合、あくまでも雇われの身ということからも、独立・開業で稼ぐほどの収入は、それほど期待できないと言われています。
 
それでは、行政書士として、独立・開業をするためには、どうしたら良いのでしょうか。
 

 

行政書士として独立開業するには?


行政書士になるためには、まず行政書士試験に合格し、資格を取得しなければなりません。その後、独立・開業をして事務所を構えるためには、事務所を設けようとする都道府県の行政書士会へ必要書類を提出し、日本行政書士会連合会へ名簿登録をする必要があります。試験に合格すること、名簿登録を行うこと、この2点が、独立・開業への第一歩です。

 

試験に合格して行政書士会に登録すれば開業は可能

行政書士試験は、毎年11月に実施されます。受験料は1回7000円。申し込みは、7月末から8月末までの1ヶ月の間に、郵送かインターネットで行う必要があります。合格発表は、翌年の1月末。合格者の受験番号は、一般財団法人行政書士試験研究センターの事務所の掲示板とホームページに公表されます。合格証の送付は2月半ば。行政書士の資格は、一生有効のため、一度試験に合格し、登録申請を行えば、再度試験を受験することはありません。
 
また、試験を受けなくとも、弁護士、弁理士、税理士、公認会計士のいずれかの資格を取得するか、公務員として行政事務の経験が20年以上ある場合は、行政書士の資格を取得することが可能です。ただ、未成年や破産者で復権を得ないもの、公務員で懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から三年を経過しないものなどは、試験を受けることができませんので、注意して下さい。
 
行政書士として活動をしていくためには、事務所を設けようとする都道府県の行政書士会へ必要書類を提出します。都道府県によって異なりますが、この時、事務手数料などを合わせて、約15~30万円の入会金が求められます。また、その後は毎年、約5~10万円の年会費(月額の会費の場合も)が発生しますので、計画的な資金繰りが必要です。この年会費(月額の会費)は、1度でも滞納させてしまうと、登録を抹消されてしまうので厳守しましょう。
 
さて、無事に登録が終了すれば、独立・開業(事務所の開設)が可能になるかというと、そうではありません。これは、あくまでも「行政書士としての仕事ができるようになった」だけ。「開業」を行うには、税務署に「開業届」及び「青色申告申請書」もしくは「白色申告申請」を提出する必要があります。もし青色申告で事業を行っていこうとしている個人事業主の方は、事務所の開業日から2ヶ月以内に書類を提出しないと、その年は、青色申告ができなくなってしまうので要注意。

 

初期投資もほとんど必要ない

事務所の開設のための資金は、事務所の規模によって異なります。新たに場所を借りて事務所を開設する場合と、自宅の一部を事務所とする場合とでは、家賃や敷金礼金といった面で、大きな差が出てきます。また、事務所の設備としては、電話(携帯電話)、パソコン、プリンター(複合機)、FAX、名刺は、最低限必要なものとして挙げられます。初期投資として、その他に必要なものは、宣伝費ですが、これは自分でチラシ作成を行ったり、インターネットを駆使することでカバーできる面があります。折角、開業をしたのだから機材など中古の物ではなく、新しいもので揃えたいという気持ちも出てくるかもしれませんが、稼げる保証がない中、初期投資は低く抑えるのがベター。パンフレットなどの広告物作成を外部に委託するのも、稼げるようになってからでも遅くはありません。
 
中には、お客様と会う場合は喫茶店などを利用し、仕事は自宅で行うなど、事務所を持たずに開業する行政書士も存在します。開業をし始めの場合は、事務所を持たない形で業務を行うのも一つの手。正式に事務所を構えるには、仕事が落ち着いた頃や事業拡大を検討する時でも良いかもしれません。
 
また、1つ、見誤ってはいけないのが、「なんでも経費になるわけではない」ということ。「お金の使いどころ」と置き換えても良いかもしれませんが、独立・開業をして青色申告の個人事業主として、業務を進めていったとしても、なんでも経費になるわけではない、ということを心に留めておきましょう。初めて個人事業主になった方は、どうしても公私混同をしてしまい、この線引きが曖昧になってしまうことが多いのですが、最初のうちは、どういったものが経費になるか学び考えて購入することがポイント。全て経費で落とすことができるだろうと考え購入をしていると、後から、経費には計上できない、と税務署から通達が届くことがあります。十分に注意が必要です。
 
行政書士は、初期投資が低くても開業することができる職業の1つではありますが、仕事に直接繋がりそうな人脈には、お金をかけることをお勧めします。どんな仕事でも同じですが、個人で開業をしたからといって、はじめからお客様が集まってくるわけではありません。他の会社や、大勢の人達から求められて開業をしたのではないなら、なおさら。仕事を紹介してくれる士業の集まりや、受注につながるものには、食事代などを抑えず、積極的に参加をし、顔を売っていきましょう。
 
行政書士として登録・開業をすると、行政書士会から業務研修会の案内等が送られてきます。これは、実務を行う上で、行政書士協会が提供している研修。参加をすることで、知識を身に付けることができるばかりか、先に開業した行政書士に出会える場でもあります。同業者ということからライバルにもなりますが、この出会いが切っ掛けで、仕事を紹介されたり、実務で困った時に助言をいただけるなど協力関係を築くことも。行政書士の勉強をしていても、実務となると対応できないことに遭遇するということは珍しくありません。そのような時、修業期間でお世話になった事務所や、新しく出会った仲間にSOSを出せる関係を作っておくことは重要です。
 
大切なことは、そのような集まりに参加をする中、「今は見習いのような立場だけど、将来、自分も他の士業の方へ、仕事を紹介できるように目指す」ということを意識すること。世の中、持ちつ持たれつです。一方的に、自分ばかり仕事を紹介してもらっていては、相手も疲弊してしまいます。お客様から受けた相談の中で、相手に紹介できるもの、もしくは自分と同様、士業デビューしたての方に仕事を紹介できるようになると、あなたの信頼度も深まっていくことでしょう。
 
独立・開業をしたら、お客様からの依頼に対応するだけではなく、経営という視点を持って、事務所の運営を考えていかなければなりません。この点が、雇われの会社員と大きく異なる点です。いくら売り上げがあっても、固定費を抑え、純利益を増やしていくのは経営の鉄則。しかし、お付き合いなど、将来の仕事受注につながりそうなところには費用を掛けていかねばなりません。士業の方々の中には、お客様とのつながりを強固にするために、土日に、お客様が開催するゴルフや釣りに参加をするケースも少なくありません。
 
初期投資は低く、されど研修会で実務知識を取得しつつ、同業者や他の士業の方々との関係づくり、顧客獲得のための積極的な営業活動は行っていきましょう。
 

 

実は行政書士は成功している人が多い!


いくら開業をしたとはいえ、お客様からの仕事の依頼がなければ収入は0円。ですが、経営者として「顧客を獲得していく」という視点を持ち、事業戦略を練って、事務所の運営をすることで成功をしている行政書士は多く存在します。独立・開業した行政書士として成功を収めるためには「いかに効率的に」「効果的に顧客を獲得できるか」にかかっている、と言っても過言ではありません。そのために重要なポイントは、主に2点。「独自の専門分野を作る」ことと「集客方法を考える」です。

 

独自の専門分野を作る

行政書士の取扱業務は、数千以上あることから、「なんでもできる行政書士」を目指すには、大変時間がかかります。そのような中、実務を進めていく上で、自分に向いている業務、興味がある分野をピックアップし、「外国人関係の業務は苦手だが、自動車と相続関係の業務なら、さまざまなケースに対応できる!実績もある!」という「自動車と相続関係の業務なら、他の行政書士に引けを取らない」という専門分野を確立していくことが成功への道。お客様も「なんでもできる行政書士」よりも、「自動車と相続の関係の専門行政書士」といった、はじめからできることが分かっている相手に依頼をする方が負担も少なく、安心するものです。専門分野が確立するまでは、さまざまな依頼を対応し、自分の向き不向きを見極めていく必要がありますが、確率さえしてしまえば、営業活動もしやすくなります。
 
もし、早く専門分野を確立したいという気持ちが強いようであれば、今まで、あなたが就いてきた職業と関係するものに焦点を当てていきましょう。例えば、飲食業に就いていた方であれば、飲食業界での経験や知識を活かした分野の依頼を集中的に宣伝・受注するなど。専門分野という的を絞ることにより、お客様から見つけやすくなり、効率的に仕事を受けることができるでしょう。
 
また、最近では、夫婦間の問題、離婚に関する相談など、女性の行政書士の方が相談しやすいという点から、女性問題に特化した、女性の行政書士しかいない事務所も設立されています。稼げる行政書士、成功する事務所運営には、このような経営の工夫も必要です。
 
行政書士としての業務範囲は、どうしても限界があるため、業務に慣れてきたら、司法書士やファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、ダブルライセンスで仕事の幅を広げていくこともお勧めします。これは、行政書士が取扱う同分野の業務において横の展開をスムーズに行うことができることから、独立・開業している行政書士の約40%はダブルライセンス取得者と言われ、顧客獲得の一つの手法とされています。特に、相続・事業継承の知識が必要なファイナンシャルプランナーの資格は、行政書士が扱う「遺言状作成」や「遺産分割協議書の作成」の業務を受注するにあたり有利に働きます。さまざまな業界に興味を持ち、資格を取得することは、行政書士として働く場合には、大変役立つことでしょう。
 
過去のキャリアに関係がなく、いつからでも始められ、長く続けることのできる行政書士ですが、時代やお客様からのご要望に応えることができなくなれば先細りです。業務を進める上で、弁護士や司法書士など、他の士業の方々とのコネクションや連携も必要になる場面もあることから、お互いが協力関係でいられるための知識や、専門性を深めていく努力も怠ってはいけません。

 

集客方法を考える

独立・開業で大切なことは、事業主として、どのように集客を考えるか。開業して、待っていても、お客様は訪れて下さいません。こちらから、積極的に営業活動をする必要があります。自分は行政書士の業務に集中して、営業活動は他の人に依頼する、といった資金に余裕がある場合は別ですが、大抵の場合は自分で行うことに。特に、自分を売り込むことやコミュニケーションが苦手という方は、集客方法を工夫する必要があります。
 
集客方法は、広告やパンフレット、チラシ、口コミなど、いくつか挙げられますが、初期投資を低くするためには、インターネットによる宣伝が鉄板です。ただ、この場合、「誰に、何をアピールするか」を考えなければなりません。上記の専門分野の部分でも記載しましたが、的を絞ることが大切です。
 
幸いインターネットの利用が当たり前となった今、問題や悩みを抱えている方のほとんどは、まずインターネットへキーワードを打ち込んで、他の人が似たような悩みを抱えていないかを検索・確認します。Yahoo知恵袋などは典型と考えましょう。行政書士が取扱う問題についても、多くの人が検索している現状があるため、ここに目を付けない手はありません。行政書士が取扱う問題、解決できそうな悩みを検索している方々は、将来、受注につながる「見込み客」。この「見込み客」の方々へ、アピールすることができれば、お客様獲得の機会も増えていくことでしょう。
 
具体的な方法としては、行政書士事務所のホームページを立ち上げた時に、SEOキーワードを設定し、行政書士に相談されやすい悩みや内容、その解決策を記事をして掲載するということが挙げられます。お客様は、悩みや相談したい内容をキーワードとしてインターネットに打ち込むことから、そのキーワードをホームページに盛り込むことで、検索時の上位記事としてヒットさせ、目に付きやすくさせていきましょう。検索で引っ掛けるためには、タイトルも重要です。自分が設定したいSEOキーワードが決まったら、一度、インターネットに入力を行い、ヒットした記事や類似記事を確認するのも良いかもしれません。
 
最初は、微々たる集客かもしれませんが、ホームページに掲載した相談事例などは定期的に更新し、知名度を上げていくことが大切です。お客様は、自分が抱えている悩みや相談を、行政書士に相談するものとは考えていません。ホームページで「行政書士に相談できる内容」を紹介する、時事問題で世間を賑わせている内容と似たような相談記事をアップする、ツイッターやSNSなどを駆使し、行政書士に相談できる内容は、どのようなものがあるのかということを知ってもらいましょう。
 
ただ、遺言状作成などの業務を専門にし、高齢者やその家族をお客様対象とした場合は、Web集客よりも、地域の中での口コミや、知り合いからの紹介、投げ込みチラシといった集客方法が強いケースがほとんどです。ターゲットにしたお客様の生活スタイルにあった方法で、効率的に集客を行う必要があります。
 
集客では、常に、攻めの営業活動が大切です。また、お客様を獲得できたとしても、行政書士の能力が乏しかったり、コミュニケーションが上手くいかず相手に不快感を与えてしまったという理由で、お客様が離れていってしまえば、長続きはしないでしょう。いかにお客様から信頼され、長くご利用いただくかが肝心。
 
しかし、集客は、事務所の経営において考えなければならない重要事項ですが、それ以前に、お客様は、何にお困りで、何を希望されているのか、どう助けてほしいのかを忘れないことが、一番のポイント。行政書士事務所や法律事務所を訪れるお客様は、もう自分ではどうしていいか分からず困惑しているケースが大半です。悔しい思いをして怒っていらっしゃる方もいます。そのような中、事務所の経営よりも、お客様にどれだけ寄り添って、問題を解決していけるかが、成功する行政書士の腕の見せどころと心得ましょう。
 

 

行政書士の試験について知りたい!


行政書士試験では、学歴、年齢、性別などの受験資格に制限がないことから、誰でも受験することができます。試験内容は、法令関係の問題が多いことから、法学部出身であると若干有利と言われていますが、合格率は例年5~10%前後。司法書士と比べると、難易度は低いと言われていますが、大体半年から1年程度、試験に向けた準備は必要です。ちなみに、行政書士の業務は、性別によって仕事内容に差が発生しないことから、試験合格者のうち20~25%は女性と言われています。
 
試験内容は「法令等科目」と「一般知識」の2つに分けられ、科目は以下のように合わせて8科目あります。
 
○法令等科目
 ・憲法
 ・民法
 ・商法
 ・行政法
 ・基礎法学
 
○一般知識
 ・政治・経済・社会
 ・情報通信・個人情報保護
 ・文章理解
 
上記の試験内容の配転比率は、行政法と民放が半分以上のため、この2科目は重点的に学ぶ必要があります。また、民放と行政法は、資格を取得し、実務を始めてからも関係してくるもの。
 
試験勉強は、独学でも可能ですが、行政書士の資格試験のスクールや通信教育を利用する方も。行政書士試験の合格には、他の資格試験を同じように、過去問の研究が重要だと言われています。合格体験者の多くは、早めに基礎的知識を身に付け、過去問の分析(出題傾向等の把握)に取り組むことが試験合格につながると語ります。近年では、法的思考力を問うような応用問題も多く出題される傾向があることから、過去問や暗記をするだけでは良いという試験ではなくなってきているという点も特徴。独学では、法律を理解することができないという方は、スクールや通信を活用するのも良いかもしれません。ただ、スクールや通信を活用する場合、テキストや模擬試験代を含めると数万円といった費用がかかります。最近では、インターネット上で問題の解き方など、情報が公開されているため、自分が一日に、どれくらい勉強時間を取ることができるかをベースに、生活スタイルに合った勉強方法を取ることをお勧めします。

 

行政書士の給料はどのくらい?


行政書士が業務を行うことでお客様から受ける「報酬額」は、各行政書士が自由に定めることができることから、基本価格というものはないと考えておきましょう。ただ最近では、行政書士の数が増加していることからも、業務単価が下降気味に。行政書士もサービス業に近いところがあることから、相談については、無料が行っているところがほとんどと言われています。
 
一般的な給与としては、独立・開業をしておらず、正社員以外の雇用形態の場合、地域によっても差がありますが、時給は約1000~1600円。正社員の場合、こちらも雇用先の事務所の規模によって異なりますが、年収は約300~500万円と言われています。ただ、中には、実務未経験ということで、月給16万円でボーナス・各種手当なし、というところもあることから、希望する就職先の事前の情報収集は念入りに行うことが大切です。福利厚生や残業の有無も、事務所により、大きく差があり、「残業が少なめ」「土日休み」「長期休暇が取得可能」という事務所もあれば、お客様の都合による度重なる時間外勤務や休日出勤、人手不足による多忙な事務所も。独立・開業した場合でも、仕事量やスケジュール管理は徹底して行うことがポイントです。
 
年収1000万円を達成している行政書士は、独立・開業をした上で、ダブルライセンスによって、取扱える業務の幅を広げていることが大半です。報酬額も、1件の「相談・書類作成・提出」を行ったら幾ら、「相談」は無料だが「書類作成・提出・アフターフォロー」を行ったら幾ら、など、自分で価格設定をしています。中には、お客様獲得のため、初回の相談・書類作成・提出は無料にしているところも。自分の経営手腕で、1000万円を達成している方がほとんど。雇われ行政書士ではなく、ダブルライセンスを目指すなど対策を打ち、稼げる行政書士を目指していきましょう。
 
それでは、最後に行政書士に求められる能力について解説します。
 

 

行政書士に求められる能力


ここで紹介するものは、稼げる行政書士になるための最低限の能力ですが、苦手なものがあったとしても諦める必要はありません。苦手なものは努力で克服する、誰かに代わってもらうなど、対策を練ることが可能です。臨機応変に対処し、継続して業務を進めていくことが大切です。
 
行政書士に求められる主な能力は以下の通り。
 
○正確な事務処理能力
○責任をもって仕事を遂行できる能力
○コミュニケーション能力
○根気
○勉強意欲
 
一つずつ解説します。
 

○正確な事務処理能力


 
行政書士は書類作成業務が中心となるため、パソコンが利用できて、高い事務処理能力が求められます。また、依頼される書類の多くは、営業許認可や相続といった重要なものを取扱うことが多いため、誤字脱字といったミスはあってはならず、書類の提出期限も厳守しなければなりません。スケジュールによっては、急ぎ対応をしなければならないものも多く、正確かつ迅速な対応ができる能力が必須となります。
 

○責任をもって仕事を遂行できる能力


 
行政書士が取扱う書類は、お客様の人生を左右するような重要なものがほとんどです。1つの誤字脱字が、お客様への損害につながるようなことは決してあってはならないこと。最後まで、責任を持って仕事を遂行する姿勢が求められます。
 

○コミュニケーション能力


 
行政書士は、お客様や他の士業の方、官公署の職員など、多くの方と関わる職業です。実際に仕事を受注する際は、お客様がどのようなことでお困りなのか、書類作成で必要な情報を引き出すためのコミュニケーションが不可欠。また、書類作成や提出においても、分からないことがあれば、同業者や官公署の職員に確認しなければならない場合も出てきます。他の士業や官公署の中には、非協力的な方も多く、理不尽な思いをすることも。どのような状況においても、業務を遂行するために、柔軟で信頼されるコミュニケーションを取れるようになっておかなければなりません。特に、独立・開業をして自分の事務所を持った場合は、営業活動としての人付き合い、人脈づくりの中で、コミュニケーション能力が試されることもあるので、重要なポイントと心に留めておきましょう。
 

○根気


 
行政書士の取扱う書類は、種類だけで1万種を超えると言われています。専門分野を絞り、仕事を受注していたとしても、イレギュラーな依頼がこないとは言い切れません。専門分野外の仕事の依頼を受けた時、複雑な書類作成のために調べなければならないことも多々発生します。そのような状況においても、諦めずに根気強く対応していく姿勢が必要です。
 

○勉強意欲


 
専門分野外の仕事を受けた時やダブルライセンスを目指している時、行政書士は、新しい知識を求められます。それは、他の士業の方とのお付き合いや、新しいお客様とのコミュニケーションでも同じこと。常に学ぶことを怠らず、専門分野を深めていく意欲が、事業を継続させ、稼げる行政書士として生き残っていくための手段です。
 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、過去のキャリアに関係がなく、いつからでも始められ、長く続けることのできる行政書士について紹介をしました。行政書士は、仕事量を調整しやすいことからも、フリーターや主婦の方にも、お勧めの職業。雇われの身であっても、事務所によっては、比較的仕事の融通を利かせてくれる側面もあることから女性の人気も高まってきています。

資格さえ持っていれば、雇用条件を重視しなければ職にあぶれることは少ないとも言われています。また、独立・開業の手続きをすることで、自分で事務所を開設することも可能。自分の腕一つで、年収1000万円以上も夢ではありません。退職年齢もないことから、一生続けることができる行政書士。あなたも挑戦してみませんか。